プロローグ


ベトナムへの渡航が決まったのは去年の11月くらいだったか。心配だったテストも一単位も落とすことなく終了し218日に無事初海外へ・・・。

小島先生のベトナム調査について行ってきました。私は、研究材料のクモゾウムシが目的です。メンバーは、小島先生(ゾウムシ)、藤澤(ゾウムシ、筆者)、森屋(ナナフシなど)、ガイドのTrienさん(以下Tinさん)、ドライバーのトンさん。

旅先での様子と、出会った昆虫たちを紹介します。

出発前

森屋と、小島先生と合流。何やら森屋さん、ベトナムに水をこちらから持っていこうとしたため重量オーバーでチェックインに手間取っていたところを発見・・・。

某先輩のSさんの二の前にならぬよう灯火総研の証明書を今回はちゃんと持ってきたため何もなく無事に検査をパスすることができた。これからの採集が非常に楽しみだ。飛行機に乗り込み離陸、憧れのベトナムに思いを馳せ眠りについた。

一日目~到着~

空港を出ると、出迎えてくれたのは深夜でも明るい街ホーチミンとバイクの喧騒、そして2年前小島先生たちと行動を共にしていたガイドのTinさん!聞いた通りの明るい人だった。

すぐに晩御飯に連れて行ってもらう。メニューはフォーだ。予想以上の初めての味に舌鼓を打った。


うまい!美味すぎる!この日からほぼ一日一回はフォーを食べることに。

泊まったホテルにはこんなものも(蝶の電燈、カチンデン)

二日目~ダラットヘ~

この日、ハノイから10時間ほどかけて主要採集地のダラットヘ向かう。道中はゴムプランテーションばかりで小島先生から聞いていた通り虫が居そうな感じがせず、途中昼食で立ち寄った場所の裏の畑を見てみたが何もいなかった。

しかし、ベトナムの食事も空気もどこもうまい。改めてここはベトナムなんだと感じることができる。

ダラットの街並みが見えてくる、ここは外国人の避暑地で栄えた場所で今も多くの西洋人を見かけることができる。今日はここの宿に泊まり明日ようやく始まる採集に備え早めに就寝した。

 

三日目~ようやく採集開始、現実は甘くなかった!!ランビアン編1~

ついにこの日がやってきた!採集である!!



Langbian の麓

場所はダラット近郊にそびえるLangbiang山だ。着くなり各自ビーティングネット、ネットを広げ採集を始める。そこでは色とりどりの甲虫が私を出迎え・・・。あれっ?

虫が採れない?

どれだけ叩いてもほとんど虫が落ちてこない。

それもそのはず、今は乾季。超絶昆虫が少ない季節なのである。それでも先頭をゆく小島先生はどんどん道を進んでいく。

採集を開始。                     材に集まる昆虫を探す。
後ろを歩いているためかあまりに虫が採れないのでビーティングからスウィーピングに切り替え、林縁、下草のすべてを掬いまくる!!

変態行為ではない。網に入った昆虫を回収しているのだ。

それによりゾウムシボーズは食い止めることができ、新種のゾウムシもそれなりに採集できた。それでもしょっぱい成果でげんなりした。

初めての乾季のベトナムは、そう甘くは無かったのである

道中の朽木ではかっこいいゴミダマやクロツヤムシを少しつまむことができ、エグリハナムグリなんかも一応採集できた。

 
クロツヤムシの一種                              日本のものとそっくりのオオゴキブリ。不思議な事にレモンの香りがする。
 
スウィーピングでたまたま採集できたヒメエグリハナムグリの一種。
  

四日目~現実は甘くなかった!!ランビアン編2~

昨日のしょっぱい成果を払拭すべく今日も本気で挑む。

昨日と違う尾根

今日はちがう尾根を攻めるとのことで俄然やる気。

道中、マツクチブトキクイゾウの近縁種が出迎えてくれた。もしかしたらそのものかもしれない。松林の切り株を壊すと、巨大なカミキリムシ幼虫の死骸が・・・。


林道に入ると鬱蒼とした森になっている。

さっそくスウィーピングを開始する!ノミゾウムシやサルゾウムシなど下草に集まっているゾウムシが多数網に入る。その中に私の求めていたヒメクモゾウムシが!!(あまりに小さく素早いので写真はとれていない)
林道を突き進むと林道はどんどん細くなりそのうちに消えてしまった。如何やら本来目指していた林道ではなかったよう。しかし、林道の突き当りのバナナからバナナツヤオサゾウムシが数頭得られた。
森屋もそれなりのナナフシを得ることができたようだ。


バナナツヤオサゾウムシの近縁種                   オサゾウムシを探す小島先生

今回は満足のいく結果だったと思う。

 
2に続く

                                                                                            
3年 藤澤 侑典




2013年ベトナム採集記1